医療費らくらく読取 マニュアル
病院・歯科・薬局・ドラッグストアなどの領収書を AI(Google Gemini)が読み取り、国税庁の「医療費集計フォーム」にまとめるアプリです。控除額の試算、セルフメディケーション税制との比較、医療費通知との照合、対象かどうかの目安、領収書の保管にも対応しています。
対象バージョン:1.0.0
1. はじめに(動作環境・できること)
| OS | Windows 10 / 11(64 ビット) |
|---|---|
| メモリ | 4GB 以上(写真をまとめて処理する場合は 8GB 以上を推奨) |
| インターネット | 読み取りに必須(Google Gemini API を使います) |
| Gemini API キー | Google AI Studio で取得します(2. 最初の設定) |
| 入手方法 | Microsoft Store からインストールします |
| HEIC(iPhone の写真) | プレビューや回転には、Microsoft Store の「HEIF 画像拡張機能」と「HEVC ビデオ拡張機能」が必要です(詳しく) |
このアプリでできること
- AI による読み取り:支払日・医療を受けた人・病院や薬局の名前・医療費の区分・金額のほか、明細の品目・点数・★印(セルフメディケーション税制の対象)も読み取ります。
- 名前をそろえる:登録した家族の名前に患者名をそろえ、病院名から「医療法人○○会」などを省いて全角 20 文字に収めます。直した病院名と区分は次から自動で使います。
- 自動チェック:読み漏れ、フォームの文字数制限、年分のずれ、対象外の疑いがある費用などを知らせます。
- 集計と控除の試算:人ごと・病院ごとに集計し、控除額と戻る税金の目安を計算。セルフメディケーション税制と比べ、高額療養費の見落としも知らせます。
- 医療費通知との照合:医療費通知(医療費のお知らせ・マイナポータルの医療費通知情報)のデータと領収書を突き合わせ、二重計上を防ぎます。
- 医療費集計フォームに書き出し:国税庁の医療費集計フォーム(Excel)に書き込み、確定申告書等作成コーナーで読み込めるようにします。
- 対象かどうかの目安:予防接種・文書料・差額ベッド代など、迷いやすい 30 項目の目安を表示します。
- 領収書のない支出:通院の電車・バス代などを手入力で加えられます。
- 保管用にまとめる:領収書のコピーと一覧表を、年分ごとのフォルダにまとめます(5 年間の保管用)。
- スマートフォンから取込:QR コードを読み取り、撮った領収書を同じ Wi-Fi で PC に送ります。
- 自動保存:作業中の一覧を自動で控え、次に開いたときに続きから始められます。
2. 最初の設定(無料試用・API キー・家族)
起動すると、ファイル一覧の場所に はじめにやること が表示されます。上から順に進めると、読み取りができるようになります。終わった項目には ✓ が付きます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ① ライセンス | Microsoft Store から「無料試用」でインストールすると、7 日間の試用が始まっています。試用が終わったら購入(買い切り)します。 |
| ② Gemini API キーの設定 | 読み取りに使う Google の AI の鍵を設定します(約 3 分)。 |
| ③ 見本で読み取りを試す | アプリに入っている見本の領収書で、読み取りを 1 回試します。 |
| ④ 家族の名前を登録(任意) | 医療を受けた人(家族)の名前を登録します。読み取った患者名がその名前にそろいます。 |
2-1. 無料試用とライセンス
- Microsoft Store の 無料試用 からインストールすると、その時点から 7 日間、すべての機能を使えます。
- 試用期間が終わると領収書を追加できなくなります。続けて使う場合は、設定 → ライセンス → ライセンスを購入(買い切り) を押し、Microsoft Store で購入してください。
- 試用期間が終わっても自動で購入されることはありません。詳しくは 24. ライセンス・料金 をご覧ください。
2-2. Gemini API キーを設定する
API キーが未設定のときは、画面上部に案内が出ます。設定する を押すと API キー設定ウィザード が開き、画面の案内に沿って設定できます。あとから設定する場合は 設定 → API → 設定ウィザードを開く を押します。
- Google AI Studio(aistudio.google.com)に Google アカウントでログインします。
- Get API key(API キーを取得)から API キーを作成し、コピーします。
- ウィザード(または 設定 → API の APIキー 欄)に貼り付け、APIキーをテスト で有効か確かめます。
- 無料枠と有料枠:Google の無料枠では、送った内容が Google のサービス改善(AI の学習)に使われる場合があります。医療の情報は大切な個人情報です。Google AI Studio で課金(有料枠)を有効にしてのご利用をおすすめします。
- 利用料:Gemini API の利用料は Google の料金体系に従い、Google から請求されます(無料枠あり)。目安はアプリの 利用状況 でも確認できます。
- API キーは秘密の情報です。他人に教えないでください。漏れたおそれがある場合は、Google AI Studio で古いキーを削除し、新しいキーを作って設定し直してください。
2-3. 家族の名前を登録する(任意)
- はじめにやること の 家族を登録する、または 設定 → 家族・支払先 を開きます。
- 名前 に「山田 花子」のように入力し、追加 を押します。医療費集計フォームの制限で、全角 10 文字以内です。
- 保存 を押します。
2-4. AI モデルを選ぶ(任意)
設定 → API の APIバージョン で、使う AI モデルを選べます。
| モデル | 特徴 |
|---|---|
| gemini-3.5-flash-lite(既定・おすすめ) | 高速で低コスト。一般的な領収書の読み取りに向きます。 |
| gemini-3.8-flash | 読み取りの精度を重視。文字が小さい、手書き、レイアウトが複雑など、うまく読めない領収書に向きます(費用は高めです)。 |
3. 画面の見方
| 場所 | 内容 |
|---|---|
| 上部(ツールバー) | ファイル追加(ファイル/フォルダ/領収書のない支出を入力/スマートフォンから取込)、検索、全件処理、保存、読み込み、ツール(集計と控除の試算・医療費通知のデータと照合・医療費集計フォームに書き出し・エクスポート・領収書を保管用にまとめる)、クリア、設定、ヘルプ(マニュアル・ショートカットキー一覧・医療費控除の対象の目安・ストアで評価する・バージョン情報) |
| 左(ファイル一覧) | 追加した領収書の一覧。ファイルの種類、処理の状態(完了・エラーなど)、確認の状態、病院・薬局などの名称と金額が表示されます。上部の 要確認 ○ 件 / エラー ○ 件 を押すと、確認が必要な領収書だけに絞り込めます。 |
| 右上(プレビュー) | 選んだ領収書の画像。左右の回転、PDF のページ送り、拡大表示 ができます。 |
| 右下(自動チェック) | 自動チェックの結果と、基本情報・明細情報 の表。値はその場で修正できます。元に戻す・やり直す・確認済みにする のボタンもここにあります。 |
| 最下部(ステータスバー) | 処理の状態と進み具合(処理済み件数/全件数) |
4. 基本の使い方(申告までの流れ)
- 追加:ファイル追加 から、1 年分の領収書を追加します(ドラッグ&ドロップでも追加できます)。通院の交通費など領収書のない支出は 領収書のない支出を入力(Ctrl+M)で加えます。
- 読み取り:全件処理(Ctrl+R)を押します。複数の領収書を並行して読み取ります。中止するときは Esc を押します。
- 確認:F8 で確認が必要な領収書へ順に移動し、プレビューと見比べて必要なら修正します。問題がなければ 確認済みにする(Ctrl+Enter)を押します。
- 医療費通知と照合(医療費通知を使う場合):ツール → 医療費通知のデータと照合 で、通知に載っている領収書に印を付けます。
- 試算:ツール → 集計と控除の試算(Ctrl+G)で、控除額や、セルフメディケーション税制とどちらが有利かを確かめます。高額療養費などの補填額もここで入力します。
- 書き出し:ツール → 医療費集計フォームに書き出し(Ctrl+Shift+E)で、医療費集計フォーム(Excel)を作ります。
- 申告:国税庁の確定申告書等作成コーナーで、書き出したファイルを読み込みます(13-3)。
- 保管:ツール → 領収書を保管用にまとめる で、領収書と一覧表を 1 つのフォルダにまとめます。
5. 領収書の追加
5-1. 追加のしかた
- ファイル追加 → ファイル(Ctrl+O):ファイルを選びます。複数選択できます。
- ファイル追加 → フォルダ(Ctrl+Shift+O):フォルダ内の領収書をまとめて追加します。サブフォルダも含めるかを選べます。
- ファイル追加 → スマートフォンから取込(Ctrl+P):7. スマートフォンから取り込む
- エクスプローラーから、ファイルやフォルダをウィンドウにドラッグ&ドロップします。
5-2. 対応している形式
PDF、JPEG(.jpg / .jpeg)、PNG、HEIC / HEIF、WebP、TIFF、BMP、GIF
5-3. 複数ページの PDF
2 ページ以上ある PDF を追加すると、追加のしかたを選ぶ画面が出ます。
| 選択 | 動作 | 向いている場合 |
|---|---|---|
| ページごとに分割して追加 | 1 ページずつ別の PDF にして、それぞれを 1 枚の領収書として読み取ります。分割したファイルは元の PDF と同じフォルダに作られます。 | 複数の領収書をまとめてスキャンした PDF |
| 1つのファイルとして追加 | 全ページをまとめて 1 件の領収書として読み取ります。 | 入院の請求書・領収書のように、1 枚の領収書が複数ページに分かれている場合 |
| 追加しない | その PDF を追加しません。 | — |
5-4. HEIC(iPhone の写真)について
HEIC / HEIF の写真は、そのまま読み取りできます。ただし、アプリ内でのプレビュー表示や回転には、Windows に次の 2 つの拡張機能(Microsoft Store)が必要です。入っていない場合は、アプリが案内を表示します。
- HEIF 画像拡張機能(無料)
- HEVC ビデオ拡張機能(有料の場合があります。PC メーカーの無料版が入っている機種もあります)
5-5. ファイル一覧の操作
- クリックで選択、Ctrl/Shift+クリックで複数選択、Ctrl+A で全選択
- Delete で一覧から外す(ファイル自体は削除されません)
- 右クリックのメニュー:クリア、処理、再処理、ファイル名変更、格納フォルダを開く、ファイルを再読み込み、ソート
5-6. 撮り方のコツ
- 領収書全体が写るように、真上から明るい場所で撮ります。影や反射が文字にかからないようにします。
- 「医療を受けた人」の名前と「領収金額」がはっきり写っていることを確かめてください。
- 調剤薬局の領収書は、点数ではなく「負担金額(お支払額)」を読み取ります。
6. 領収書のない支出の入力
通院の電車・バス代など、領収書がない医療費を一覧に加えます。入れた内容は読み取った領収書と同じ表に並び、集計や医療費集計フォームの書き出しに含まれます。
- ファイル追加 → 領収書のない支出を入力(Ctrl+M)を選びます。
- 支払日、医療を受けた人、支払先・内容(例:都営バス 通院 往復)、医療費の区分、支払った金額、必要なら 備考 を入力します。
- 追加 を押します。追加したあと、続けて入力する をオンにすると、続けて何件も入力できます。
7. スマートフォンから取り込む
スマートフォンで撮った領収書を、同じ Wi-Fi を通して PC のアプリに直接送れます。スマートフォンにアプリを入れる必要はありません(iPhone・Android のブラウザで使えます)。
- PC とスマートフォンを同じ Wi-Fiに接続します。
- アプリで ファイル追加 → スマートフォンから取込(Ctrl+P)を選ぶと、QR コードが表示されます。
- スマートフォンのカメラで QR コードを読み取り、開いたページを表示します。
- PC に「スマートフォンが接続しました。受け付けますか?」と表示されたら、受け付ける を押します(初めて接続する端末のみ)。
- スマートフォンで 撮影する または 写真・PDF を選ぶ を押して送ります。送った領収書は PC の一覧に追加されます。
- 使い終わったら、PC の画面を閉じます。閉じると受け付けを停止します。
- 1 件 30MB まで、1 回の受付で 100 件まで送れます。
- QR コードは、最後に受信してから 10 分で無効になります。使えなくなったら 新しい QR コードを作る を押してください。
つながらないとき
- PC のネットワークの種類が「パブリック」:Windows の設定 → ネットワークとインターネット → Wi-Fi → 接続中のネットワークのプロパティで「プライベート ネットワーク」に変更します(自宅の Wi-Fi の場合)。
- ファイアウォール:初回に表示される「Windows セキュリティの重要な警告」で、プライベート ネットワークでのアクセスを許可してください。
- ゲスト用 Wi-Fi やホテル・店舗の Wi-Fi:端末同士の通信が禁止されていることがあります。別の Wi-Fi をお使いください。
- VPN:PC が VPN に接続していると、つながらない場合があります。
- 別の Wi-Fi に接続している:2.4GHz と 5GHz で名前が違う場合など、PC と同じ名前の Wi-Fi に接続してください。
8. 読み取り結果の確認と修正
8-1. 読み取る項目
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 支払日 | 領収書の日付。医療費集計フォームの「支払年月日」と、年分の判定に使います。 |
| 医療を受けた人 | 患者名。登録した家族の名前にそろえます(全角 10 文字以内)。 |
| 病院・薬局などの名称 | 支払先。法人格や長い正式名称を省き、全角 20 文字以内に整えます。 |
| 医療費の区分 | 診療・治療/医薬品購入/介護保険サービス/その他の医療費 のいずれか(8-2)。 |
| 支払った医療費の金額 | 窓口で実際に支払った金額(領収金額・お支払額)。保険点数や医療費の総額ではありません。 |
| 補填される金額 | 高額療養費・出産育児一時金・保険の入院給付金など。領収書からは読み取れないので、集計と控除の試算 の画面などで入力します。 |
| セルフメディケーション税制 | ★印などの対象医薬品が含まれているか。 |
| 控除の対象外の疑い | 予防接種・文書料・日用品など、対象にならない可能性がある費用。 |
| 内容・備考 | 診療科や品目のまとめ、補足など。 |
| 医療費通知に含まれる | 医療費通知に載っている領収書の印(12)。「含む」「含まない」または空欄。 |
明細情報 のタブには、品目・点数・金額・印(★など)・備考が 1 行ずつ表示されます。読み取る項目と AI への指示は 設定 → 領収書項目/領収書項目(明細) で変更できます。信頼度 は AI が自己申告した読み取りの確かさです。目安としてご覧ください。
8-2. 医療費の区分
| 区分 | 主な例 |
|---|---|
| 診療・治療 | 病院・診療所・歯科の診察・治療・入院、助産師による分娩の介助 |
| 医薬品購入 | 調剤薬局の処方薬、ドラッグストアで買った治療のための医薬品 |
| 介護保険サービス | 介護保険の対象となる訪問看護・通所リハビリなど(医療系のサービス) |
| その他の医療費 | 通院の交通費、はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧、医療用器具の購入など |
区分は AI が判断します。違っていればドロップダウンから選び直してください。
8-3. 修正のしかた
- 値のセルをダブルクリック(または F2)して修正します。区分はドロップダウンから選べます。
- 修正すると自動チェックがやり直されます。
- 病院・薬局などの名称や区分を直すと、その支払先の表示名と区分として覚え、次に同じ支払先を読み取ったときに自動で使います(設定 → 家族・支払先 で確認・削除できます)。
- 間違えたときは 元に戻す(Ctrl+Z)で戻せます。
8-4. プレビューと画像ビューア
- プレビューの回転ボタンで左右に 90 度回転できます。回転させた向きで AI に送られます(読み取り直すときは右クリック → 再処理)。
- 複数ページの PDF は、ページ送りボタンまたは PageUp/PageDown でページを切り替えます。
- 拡大表示(またはプレビューをクリック)で画像ビューアが開きます。拡大・縮小(Ctrl+ホイール、+/-)、回転、ドラッグでの移動ができます。Esc で閉じます。
8-5. 確認済みにする
内容を確かめた領収書は 確認済みにする(Ctrl+Enter)を押します。ファイル一覧に印が付き、もう一度押すと解除できます。
9. 自動チェック
読み取り後と修正後に、内容を自動で確認します。結果は 3 段階で表示され、該当するセルに色が付きます(セルにマウスを重ねると理由が表示されます)。
エラー 明らかな誤り。修正が必要です。 要確認 誤りの可能性があります。 補足 お知らせ。
| チェック | 内容 |
|---|---|
| 読み漏れ | 医療を受けた人・病院などの名称・区分・金額・支払日が空欄になっていないか |
| 文字数の制限 | 医療を受けた人が全角 10 文字、病院などの名称が全角 20 文字を超えていないか(医療費集計フォームの制限) |
| 年分のずれ | 支払日の年が今年でも昨年でもない(読み取りの誤りや、別の年分の領収書の可能性) |
| 日付 | 読めない日付、未来の日付、元号の取り違えの可能性 |
| 補填額 | 補填される金額が、支払った医療費の金額を超えていないか |
| 対象外の疑い | 予防接種・文書料・美容目的・日用品など、控除の対象にならない可能性がある費用(14. 対象の目安 の説明も表示) |
| セルフメディケーション | ★印などの対象医薬品が含まれている(集計で比べられるよう印を付けます) |
| 明細の計算 | 明細の合計と領収金額の食い違い |
| 読み取りの補足 | AI が自動で補った値や、ページの一部だけを読んだ場合など |
F8/Shift+F8 で、要確認・エラーの領収書へ順に移動できます。
10. 重複の検出
同じ領収書を二度追加したり、撮り直した写真を両方入れたりしたときに、重複の可能性を知らせます。画面の案内から 相手の領収書へ移動、重複ではない、この領収書を一覧から外す を選べます。
- エクスポートや処理結果の保存をした領収書は記録され、あとで同じ領収書を取り込んだときにも警告します(設定 → ログ の 過去に処理した分との重複を照合する)。
- 同じ病院に同じ日に同じ金額を払うこともあります(例:毎週のリハビリ)。内容を確かめて 重複ではない を選んでください。
11. 集計と控除の試算
ツール → 集計と控除の試算(Ctrl+G)で開きます。上部で 年分 を選び、必要なら 控除の対象外の疑いがある領収書を除く をオンにします。
11-1. 控除額の試算
総所得金額等 と 課税所得 を入れると、より正確に計算します(分からなければ空欄のままで、足切り額 10 万円・所得税率 10% として計算します)。給与だけの方は、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」が総所得金額等の目安です。
(上限 200 万円)
戻る税金の目安は、控除額に所得税率(復興特別所得税を含む)と住民税 10% を掛けて計算します。2 つの制度はどちらか一方しか使えないため、有利なほうを画面に表示します。
11-2. 高額療養費の見落とし
同じ人・同じ月の保険診療と調剤の支払いが 57,600 円を超えていて、補填額が入っていないときは、黄色い枠で知らせます。高額療養費が支給されていれば、その額を補填される金額として入れてください。限度額は所得によって 35,400〜252,600 円と幅があります。限度額適用認定証(マイナ保険証)で窓口の支払いが減っている場合は不要です。
11-3. 補填される金額の入力
画面下の 領収書ごとの一覧と、補填される金額の入力 で、補填(入力) の欄に金額を入れます。入れた値は一覧の表にも反映されます。
- 補填されるもの:高額療養費、家族療養費、出産育児一時金、生命保険・損害保険の入院給付金・手術給付金など
- 補填額は、その給付の目的となった医療費の額が上限です(ほかの医療費からは差し引きません)。
11-4. 人ごと・病院ごとの集計
医療を受けた人ごと・区分ごとの合計(グラフつき)と、病院・薬局などの名称ごとの合計を表示します。集計を Excel に保存 で表を保存できます。
12. 医療費通知のデータと照合
健康保険組合などから届く「医療費のお知らせ」(医療費通知)を確定申告に使うと、通知に載っている分は領収書の明細を入力しなくてよくなります。ただし、同じ受診を領収書でも入れると二重計上になります。この機能で、通知に載っている領収書に印を付けておきます。
- ツール → 医療費通知のデータと照合 を開きます。
- ファイルを選ぶ で、医療費通知のデータ(CSV、またはマイナポータルからダウンロードした医療費通知情報の XML)を選びます。
- 列の対応づけ を確かめます。どの列が診療年月・医療機関・自己負担額・受診者かは、列名から自動で推測し、API キーがあれば AI でも推測します(AI に送るのは列名と値の「形」だけで、氏名や金額そのものは送りません)。違っていれば選び直してください。
- 照合して印を付ける を押します。一致した領収書の 医療費通知に含まれる が「含む」になります。
結果には、通知にあって領収書が無いもの(作成コーナーでは通知の分がそのまま入力されるので問題ありません)と、通知の期間内なのに通知に無い領収書(自費診療など)も表示されます。
13. 医療費集計フォームに書き出し
国税庁の「医療費集計フォーム」(Excel)に、医療を受けた人・病院などの名称・区分・金額・補填額・支払日を書き込みます。フォームはアプリに入っています。
13-1. 書き出しのしかた
- ツール → 医療費集計フォームに書き出し(Ctrl+Shift+E)を開きます。
- 年分 を選びます。支払日がその年のものだけを書き出します。
- 書き方を選びます(13-2)。
- 医療費通知を使う場合は 医療費通知を使う をオンにし、通知に載っている最後の月を選びます。
- 点検 の一覧を確かめ、出力先 を選んで 書き出し を押します。
13-2. 書き方と制限
| 書き方 | 内容 |
|---|---|
| 1 件ずつ書く | 領収書 1 枚を 1 行に書きます。支払日も入ります。 |
| 医療を受けた人と病院・薬局などの名称ごとにまとめて書く | 同じ人・同じ支払先の領収書を 1 行にまとめます(支払日は空欄)。件数が多いときに向きます。 |
- フォームに書けるのは 995 行までです。超える場合はまとめて書く方法を選んでください。
- 医療を受けた人は全角 10 文字、病院などの名称は全角 20 文字までです。超えている場合は点検に表示されます。
- 点検には、対象外の疑いがある領収書、年分が違うため外した領収書、高額療養費の確認も表示されます。
13-3. 確定申告書等作成コーナーで読み込む
- 国税庁の 確定申告書等作成コーナー で申告書の作成を始めます。
- 所得控除の入力で「医療費控除」を選び、「医療費集計フォームを利用する」→「集計フォーム読込画面へ」と進みます。
- 書き出したファイルを選んで読み込み、画面に反映された内容を確認します。
- 書き出したファイルの列や書式を変更すると、読み込めなくなる場合があります。直したいときはアプリで直して書き出し直してください。
- セルフメディケーション税制を選ぶ場合、このフォームは使えません。
- 国税庁がフォームの新しい版を公開した場合は、書き出しの画面の フォームのテンプレート で、ダウンロードした新しいフォームを指定できます。
14. 医療費控除の対象の目安
ヘルプ → 医療費控除の対象の目安 で、迷いやすい費用(30 項目)が対象になるかどうかの目安を一覧で見られます。絞り込み に言葉を入れたり、「対象」「条件つき」「対象外」で絞り込んだりできます。国税庁のタックスアンサーの要旨をもとにしています。
読み取った内容や備考に当てはまる項目があると、自動チェックにも同じ説明が出ます。
15. エクスポート(Excel・CSV)
ツール → エクスポート(Ctrl+E)で、読み取った内容を Excel または CSV に出力します。家計簿や、ご自身で作った表に使うときに便利です。
- オプション:ヘッダ行、ファイル名、信頼度(%)、明細情報、チェック結果を含めるかを選べます。
- CSV の文字コードは UTF-8 と Shift-JIS から選べます(Excel で開くなら Shift-JIS が無難です)。
※ 確定申告に使うのは、13. 医療費集計フォームに書き出し のファイルです。
16. 領収書を保管用にまとめる
医療費控除では領収書を提出する必要はありませんが、申告期限から 5 年間の保管が必要です(税務署から提示を求められることがあります)。ツール → 領収書を保管用にまとめる で、年分ごとのフォルダに次のものをまとめます。
- 領収書の画像・PDF のコピー(「支払日_人_支払先_金額」の名前)
- 一覧表(Excel)
- 読み取り結果(JSON。あとでアプリに読み込み直せます。オプション)
- 説明書き(はじめにお読みください.txt)
元のファイルは動かしません。同じフォルダに前回の保管セットがあるときは、一覧と説明書きを上書きし、画像は同じ名前なら番号を付けて別に保存します。
17. ファイル名の自動変更
読み取った内容をもとに、領収書のファイル名を「日付_支払先_金額」などの形に変更できます。
- 手動:ファイル一覧で選んで右クリック → ファイル名変更。
- 自動:設定 → ファイル名 の 処理完了後に自動変換 をオンにします。
- 名前の形(項目の並び・日付や金額の書き方・区切り文字)は、設定 → ファイル名 でプロファイルとして作れます。
18. 作業の保存・自動保存・検索
18-1. 自動保存
作業中の一覧(読み取り結果・修正・補填額など)は、30 秒ごとと、アプリを閉じるときに自動で控えられます。次に起動すると、続きから始まります。オン・オフは 設定 → ログ の 作業中の一覧を自動で控え、次の起動で続きから開く で切り替えます。
18-2. 処理結果の保存と読み込み
- 保存(Ctrl+S):今の一覧を処理結果のファイル(JSON)に保存します。年分ごとに分けて残したいとき、別の PC に移すときに使います。
- 読み込み(Ctrl+L):保存した処理結果を読み込みます。
- クリア(Ctrl+N):一覧を空にします(ファイル自体は削除されません)。翌年分を始めるときは、保存してからクリアします。
18-3. 検索
検索(Ctrl+F)で、検索ワードと検索対象の項目(病院・薬局などの名称、医療を受けた人など)を選んで領収書を探せます。F3/Shift+F3 で次・前を検索します。検索ワードは履歴(最大 10 件)に残ります。
19. Gemini API の費用の目安(利用状況)
設定 → 利用状況 で、読み取りにかかった Gemini API の利用料の目安を確認できます。
- 今月の利用(目安)、モデル別・処理の種類別の内訳、過去 12 か月の推移を表示します。
- API キーからは無料枠か有料枠かが分からないため、課金の有無 をご自身で選んでください。
- 月の推定費用が設定した金額を超えたら知らせる、予算の通知 も設定できます。
- 正確な請求額は、Google AI Studio の使用状況を開く から Google の画面で確認してください。
家庭の 1 年分(数十〜百数十枚)の領収書であれば、費用はわずかで、無料枠に収まることもあります。
20. 設定
ツールバーの 設定(Ctrl+Shift+S)で開きます。変更したら 保存 を押します。
| タブ | 内容 |
|---|---|
| フォーマット | 日付・金額の書き方(エクスポートやファイル名で使う形) |
| 医療費の区分 | 区分の一覧(医療費集計フォームの 4 区分) |
| ファイル名 | ファイル名の形のプロファイル、処理完了後の自動変換(17) |
| 領収書項目 | 読み取る項目と、AI への読み取りの指示。表示・並び順の変更や項目の追加ができます。 |
| 領収書項目(明細) | 明細として読み取る項目(品目・点数・金額・印・備考) |
| 家族・支払先 | 家族の名前の一覧と、覚えた支払先の表示名・区分(2-3、8-3) |
| ログ | ログの記録、データの保存場所、自動保存、重複の照合(処理済みの記録) |
| API | Gemini API キー、設定ウィザード、AI モデル(APIバージョン)、同時処理数 |
| 利用状況 | Gemini API の費用の目安(19) |
| ライセンス | ライセンス状態、購入(買い切り)、ライセンス情報の更新 |
画面下の 設定をエクスポート/設定をインポート で、設定を別の PC に移せます。設定をデフォルトに戻す で初期状態に戻ります。
21. ショートカットキー
アプリでは ヘルプ → ショートカットキー一覧(Ctrl+F1)でも確認できます。
| キー | 操作 |
|---|---|
| Ctrl+O | 領収書ファイルを追加 |
| Ctrl+Shift+O | フォルダから追加 |
| Ctrl+M | 領収書のない支出を入力 |
| Ctrl+P | スマートフォンから取込 |
| Ctrl+R | 全件処理(未処理の領収書をまとめて読み取り) |
| Esc | 処理を中止(確認あり) |
| F5 | 選んでいるファイルを再読み込み |
| F8/Shift+F8 | 次/前の要確認・エラーの領収書へ移動 |
| Alt+←/→ | 前/次のファイルを選択 |
| Home/End | 最初/最後のファイルを選択(ファイル一覧で) |
| PageUp/PageDown | 複数ページ PDF のページ送り |
| F2 | 選んだセルを編集 |
| Ctrl+Enter | 確認済みにする/解除する |
| Ctrl+Z | 元に戻す |
| Ctrl+Y/Ctrl+Shift+Z | やり直す |
| Ctrl+V | 選んだセルに貼り付け |
| Ctrl+A | ファイルを全選択(ファイル一覧で) |
| Delete | 選んだファイルを一覧から外す(ファイル一覧で) |
| Ctrl+G | 集計と控除の試算 |
| Ctrl+Shift+E | 医療費集計フォームに書き出し |
| Ctrl+E | エクスポート(Excel・CSV) |
| Ctrl+S/Ctrl+L | 処理結果を保存/読み込み |
| Ctrl+N | 全てクリア |
| Ctrl+F | 検索(Enter で前回の条件で次を検索) |
| Ctrl+Shift+S | 設定 |
| F1/Ctrl+F1 | マニュアル/ショートカットキー一覧 |
| F12 | バージョン情報 |
22. 困ったときは
| 症状 | 対処 |
|---|---|
| ファイルを追加できない | ライセンスが有効か確かめてください(設定 → ライセンス)。試用期間が終わっている場合は購入が必要です。処理中は追加できません。 |
| 読み取りでエラーになる | 設定 → API の APIキーをテスト で、API キーが有効か確かめてください。インターネットに接続しているかも確認します。 |
| 「リクエストが多すぎる」などのエラーが出る | 無料枠の上限に達した可能性があります。少し時間をおくか、同時処理数 を減らしてください。続く場合は Google AI Studio で有料枠を有効にします。 |
| 金額が保険点数や総医療費になっている | 窓口で支払った金額(領収金額・お支払額)に直してください。右クリック → 再処理 で読み直すか、AI モデルを gemini-3.8-flash に変えると改善する場合があります。 |
| 名前が家族の名前にならない | 設定 → 家族・支払先 に家族の名前を登録してください。表で直した名前も一覧に加わります。 |
| 支払日の年が違う領収書が混ざっている | 書き出しや集計では、選んだ年分以外の領収書は自動で外れます。去年の分を申告に含めることはできないので、そのままで問題ありません(読み取りの誤りなら支払日を直します)。 |
| 作成コーナーで読み込めない | 書き出したファイルを Excel で編集・保存し直していないか確かめてください。アプリから書き出し直すと直る場合があります。国税庁のフォームの版が変わった場合は、新しいフォームを フォームのテンプレート に指定してください。 |
| HEIC の写真がプレビューに表示されない | 5-4 の拡張機能を入れてください。読み取りはそのままできます。 |
| スマートフォンからつながらない | 7. スマートフォンから取り込む の「つながらないとき」をご覧ください。 |
| 前回の作業が消えた | 自動保存がオンか確かめてください(18-1)。保存した処理結果があれば 読み込み で開けます。 |
23. よくある質問
医療費控除とセルフメディケーション税制は両方使えますか?
家族の分もまとめて申告できますか?
去年の領収書も入れていいですか?
補填される金額は、どこで分かりますか?
医療費通知を使っても、領収書は保管が必要ですか?
領収書のデータは安全ですか?
手書きの領収書も読み取れますか?
複数の PC で使えますか?
Mac で使えますか?
24. ライセンス・料金
- 料金:1,450 円(税込)の買い切りです。月額・年額の料金はありません。アップデートは追加料金なしで提供します。
- 無料試用:Microsoft Store から「無料試用」でインストールすると、7 日間すべての機能を使えます。
- 試用期間が終わっても、自動で購入・請求されることはありません。続けて使う場合は、設定 → ライセンス → ライセンスを購入(買い切り) から購入してください。
- 購入後にライセンスが反映されない場合は、ライセンス情報を更新 を押してください。
- Gemini API の利用料は本アプリの料金とは別に、Google の料金体系に従います(無料枠あり)。
25. データの取り扱い
- PC に保存するもの:設定、作業中の一覧(自動保存)、処理済みの記録(重複の照合用)、利用状況、ログ。保存場所は 設定 → ログ の データの保存場所 で確認できます。当社のサーバーには送信しません。
- Google に送るもの:読み取りのため、領収書の画像(または PDF)と読み取りの指示を Google の Gemini API に送ります。医療費通知の列の推測では、列名と値の「形」(数字を 9、文字を 漢 などに置き換えたもの)だけを送り、氏名や金額は送りません。
- 無料枠について:Google の無料枠では、送った内容が Google のサービス改善に使われる場合があります。医療の情報を扱うため、有料枠(課金)を有効にしてのご利用をおすすめします。詳しくは Google の利用規約をご確認ください。
- スマートフォンからの取込:同じ Wi-Fi の中だけで PC に直接送ります。外部のサーバーは使いません。
詳しくは プライバシーポリシー をご覧ください。
26. 使用しているライブラリ
本アプリは、次のオープンソースソフトウェアなどを使用しています。各ライブラリの著作権は、それぞれの著作者に帰属します。
- ClosedXML(MIT License)
- DocumentFormat.OpenXml / Open XML SDK(MIT License)
- PDFsharp(MIT License)
- PdfiumViewer(Apache License 2.0)/PDFium(BSD 3-Clause License ほか)
- SkiaSharp(MIT License)
- QRCoder(MIT License)
- Microsoft.Data.Sqlite(MIT License)
- Microsoft.Extensions.Http.Polly/Polly(BSD 3-Clause License)
- Windows App SDK(MIT License)
医療費集計フォームは国税庁が提供するものです。Google、Gemini、Microsoft、Windows、iPhone は、各社の商標または登録商標です。