医療費らくらく読取 マニュアル

病院・歯科・薬局・ドラッグストアなどの領収書を AI(Google Gemini)が読み取り、国税庁の「医療費集計フォーム」にまとめるアプリです。控除額の試算、セルフメディケーション税制との比較、医療費通知との照合、対象かどうかの目安、領収書の保管にも対応しています。

対象バージョン:1.0.0

1. はじめに(動作環境・できること)

OSWindows 10 / 11(64 ビット)
メモリ4GB 以上(写真をまとめて処理する場合は 8GB 以上を推奨)
インターネット読み取りに必須(Google Gemini API を使います)
Gemini API キーGoogle AI Studio で取得します(2. 最初の設定)
入手方法Microsoft Store からインストールします
HEIC(iPhone の写真)プレビューや回転には、Microsoft Store の「HEIF 画像拡張機能」と「HEVC ビデオ拡張機能」が必要です(詳しく)

このアプリでできること

  • AI による読み取り:支払日・医療を受けた人・病院や薬局の名前・医療費の区分・金額のほか、明細の品目・点数・★印(セルフメディケーション税制の対象)も読み取ります。
  • 名前をそろえる:登録した家族の名前に患者名をそろえ、病院名から「医療法人○○会」などを省いて全角 20 文字に収めます。直した病院名と区分は次から自動で使います。
  • 自動チェック:読み漏れ、フォームの文字数制限、年分のずれ、対象外の疑いがある費用などを知らせます。
  • 集計と控除の試算:人ごと・病院ごとに集計し、控除額と戻る税金の目安を計算。セルフメディケーション税制と比べ、高額療養費の見落としも知らせます。
  • 医療費通知との照合:医療費通知(医療費のお知らせ・マイナポータルの医療費通知情報)のデータと領収書を突き合わせ、二重計上を防ぎます。
  • 医療費集計フォームに書き出し:国税庁の医療費集計フォーム(Excel)に書き込み、確定申告書等作成コーナーで読み込めるようにします。
  • 対象かどうかの目安:予防接種・文書料・差額ベッド代など、迷いやすい 30 項目の目安を表示します。
  • 領収書のない支出:通院の電車・バス代などを手入力で加えられます。
  • 保管用にまとめる:領収書のコピーと一覧表を、年分ごとのフォルダにまとめます(5 年間の保管用)。
  • スマートフォンから取込:QR コードを読み取り、撮った領収書を同じ Wi-Fi で PC に送ります。
  • 自動保存:作業中の一覧を自動で控え、次に開いたときに続きから始められます。

2. 最初の設定(無料試用・API キー・家族)

起動すると、ファイル一覧の場所に はじめにやること が表示されます。上から順に進めると、読み取りができるようになります。終わった項目には ✓ が付きます。

項目内容
① ライセンスMicrosoft Store から「無料試用」でインストールすると、7 日間の試用が始まっています。試用が終わったら購入(買い切り)します。
② Gemini API キーの設定読み取りに使う Google の AI の鍵を設定します(約 3 分)。
③ 見本で読み取りを試すアプリに入っている見本の領収書で、読み取りを 1 回試します。
④ 家族の名前を登録(任意)医療を受けた人(家族)の名前を登録します。読み取った患者名がその名前にそろいます。

2-1. 無料試用とライセンス

  • Microsoft Store の 無料試用 からインストールすると、その時点から 7 日間、すべての機能を使えます。
  • 試用期間が終わると領収書を追加できなくなります。続けて使う場合は、設定 → ライセンス → ライセンスを購入(買い切り) を押し、Microsoft Store で購入してください。
  • 試用期間が終わっても自動で購入されることはありません。詳しくは 24. ライセンス・料金 をご覧ください。

2-2. Gemini API キーを設定する

API キーが未設定のときは、画面上部に案内が出ます。設定する を押すと API キー設定ウィザード が開き、画面の案内に沿って設定できます。あとから設定する場合は 設定 → API → 設定ウィザードを開く を押します。

  1. Google AI Studio(aistudio.google.com)に Google アカウントでログインします。
  2. Get API key(API キーを取得)から API キーを作成し、コピーします。
  3. ウィザード(または 設定 → API の APIキー 欄)に貼り付け、APIキーをテスト で有効か確かめます。
  • 無料枠と有料枠:Google の無料枠では、送った内容が Google のサービス改善(AI の学習)に使われる場合があります。医療の情報は大切な個人情報です。Google AI Studio で課金(有料枠)を有効にしてのご利用をおすすめします。
  • 利用料:Gemini API の利用料は Google の料金体系に従い、Google から請求されます(無料枠あり)。目安はアプリの 利用状況 でも確認できます。
  • API キーは秘密の情報です。他人に教えないでください。漏れたおそれがある場合は、Google AI Studio で古いキーを削除し、新しいキーを作って設定し直してください。

2-3. 家族の名前を登録する(任意)

  1. はじめにやること の 家族を登録する、または 設定 → 家族・支払先 を開きます。
  2. 名前 に「山田 花子」のように入力し、追加 を押します。医療費集計フォームの制限で、全角 10 文字以内です。
  3. 保存 を押します。
登録しておくと、「山田」「山田花子」「山田 花子 様」のような表記の違いを登録した名前にそろえます。登録した人が 1 人だけなら、名前が読めなかった領収書もその人になります。表で名前を入力したときも、自動で一覧に加わります。

2-4. AI モデルを選ぶ(任意)

設定 → API の APIバージョン で、使う AI モデルを選べます。

モデル特徴
gemini-3.5-flash-lite(既定・おすすめ)高速で低コスト。一般的な領収書の読み取りに向きます。
gemini-3.8-flash読み取りの精度を重視。文字が小さい、手書き、レイアウトが複雑など、うまく読めない領収書に向きます(費用は高めです)。

3. 画面の見方

場所内容
上部(ツールバー)ファイル追加(ファイル/フォルダ/領収書のない支出を入力/スマートフォンから取込)、検索、全件処理、保存、読み込み、ツール(集計と控除の試算・医療費通知のデータと照合・医療費集計フォームに書き出し・エクスポート・領収書を保管用にまとめる)、クリア、設定、ヘルプ(マニュアル・ショートカットキー一覧・医療費控除の対象の目安・ストアで評価する・バージョン情報)
左(ファイル一覧)追加した領収書の一覧。ファイルの種類、処理の状態(完了・エラーなど)、確認の状態、病院・薬局などの名称と金額が表示されます。上部の 要確認 ○ 件 / エラー ○ 件 を押すと、確認が必要な領収書だけに絞り込めます。
右上(プレビュー)選んだ領収書の画像。左右の回転、PDF のページ送り、拡大表示 ができます。
右下(自動チェック)自動チェックの結果と、基本情報・明細情報 の表。値はその場で修正できます。元に戻す・やり直す・確認済みにする のボタンもここにあります。
最下部(ステータスバー)処理の状態と進み具合(処理済み件数/全件数)

4. 基本の使い方(申告までの流れ)

  1. 追加:ファイル追加 から、1 年分の領収書を追加します(ドラッグ&ドロップでも追加できます)。通院の交通費など領収書のない支出は 領収書のない支出を入力(Ctrl+M)で加えます。
  2. 読み取り:全件処理(Ctrl+R)を押します。複数の領収書を並行して読み取ります。中止するときは Esc を押します。
  3. 確認:F8 で確認が必要な領収書へ順に移動し、プレビューと見比べて必要なら修正します。問題がなければ 確認済みにする(Ctrl+Enter)を押します。
  4. 医療費通知と照合(医療費通知を使う場合):ツール → 医療費通知のデータと照合 で、通知に載っている領収書に印を付けます。
  5. 試算:ツール → 集計と控除の試算(Ctrl+G)で、控除額や、セルフメディケーション税制とどちらが有利かを確かめます。高額療養費などの補填額もここで入力します。
  6. 書き出し:ツール → 医療費集計フォームに書き出し(Ctrl+Shift+E)で、医療費集計フォーム(Excel)を作ります。
  7. 申告:国税庁の確定申告書等作成コーナーで、書き出したファイルを読み込みます(13-3)。
  8. 保管:ツール → 領収書を保管用にまとめる で、領収書と一覧表を 1 つのフォルダにまとめます。
領収書は 1 年分を一度に読み取る必要はありません。作業中の一覧は自動で控えられるので(18)、病院に行くたびに少しずつ追加していけます。特定の領収書だけを読み取る(または読み取り直す)ときは、ファイル一覧で選んで右クリックし、処理 または 再処理 を選びます。

5. 領収書の追加

5-1. 追加のしかた

  • ファイル追加 → ファイル(Ctrl+O):ファイルを選びます。複数選択できます。
  • ファイル追加 → フォルダ(Ctrl+Shift+O):フォルダ内の領収書をまとめて追加します。サブフォルダも含めるかを選べます。
  • ファイル追加 → スマートフォンから取込(Ctrl+P):7. スマートフォンから取り込む
  • エクスプローラーから、ファイルやフォルダをウィンドウにドラッグ&ドロップします。

5-2. 対応している形式

PDF、JPEG(.jpg / .jpeg)、PNG、HEIC / HEIF、WebP、TIFF、BMP、GIF

5-3. 複数ページの PDF

2 ページ以上ある PDF を追加すると、追加のしかたを選ぶ画面が出ます。

選択動作向いている場合
ページごとに分割して追加1 ページずつ別の PDF にして、それぞれを 1 枚の領収書として読み取ります。分割したファイルは元の PDF と同じフォルダに作られます。複数の領収書をまとめてスキャンした PDF
1つのファイルとして追加全ページをまとめて 1 件の領収書として読み取ります。入院の請求書・領収書のように、1 枚の領収書が複数ページに分かれている場合
追加しないその PDF を追加しません。—

5-4. HEIC(iPhone の写真)について

HEIC / HEIF の写真は、そのまま読み取りできます。ただし、アプリ内でのプレビュー表示や回転には、Windows に次の 2 つの拡張機能(Microsoft Store)が必要です。入っていない場合は、アプリが案内を表示します。

  • HEIF 画像拡張機能(無料)
  • HEVC ビデオ拡張機能(有料の場合があります。PC メーカーの無料版が入っている機種もあります)

5-5. ファイル一覧の操作

  • クリックで選択、Ctrl/Shift+クリックで複数選択、Ctrl+A で全選択
  • Delete で一覧から外す(ファイル自体は削除されません)
  • 右クリックのメニュー:クリア、処理、再処理、ファイル名変更、格納フォルダを開く、ファイルを再読み込み、ソート

5-6. 撮り方のコツ

  • 領収書全体が写るように、真上から明るい場所で撮ります。影や反射が文字にかからないようにします。
  • 「医療を受けた人」の名前と「領収金額」がはっきり写っていることを確かめてください。
  • 調剤薬局の領収書は、点数ではなく「負担金額(お支払額)」を読み取ります。

6. 領収書のない支出の入力

通院の電車・バス代など、領収書がない医療費を一覧に加えます。入れた内容は読み取った領収書と同じ表に並び、集計や医療費集計フォームの書き出しに含まれます。

  1. ファイル追加 → 領収書のない支出を入力(Ctrl+M)を選びます。
  2. 支払日、医療を受けた人、支払先・内容(例:都営バス 通院 往復)、医療費の区分、支払った金額、必要なら 備考 を入力します。
  3. 追加 を押します。追加したあと、続けて入力する をオンにすると、続けて何件も入力できます。
通院のための電車・バス代は対象ですが、自家用車のガソリン代・駐車場代は医療費控除の対象になりません。タクシー代は、急病や歩行が困難な場合など、やむを得ない場合に限られます。交通費は、日付・区間・金額をメモしておくと安心です。

7. スマートフォンから取り込む

スマートフォンで撮った領収書を、同じ Wi-Fi を通して PC のアプリに直接送れます。スマートフォンにアプリを入れる必要はありません(iPhone・Android のブラウザで使えます)。

  1. PC とスマートフォンを同じ Wi-Fiに接続します。
  2. アプリで ファイル追加 → スマートフォンから取込(Ctrl+P)を選ぶと、QR コードが表示されます。
  3. スマートフォンのカメラで QR コードを読み取り、開いたページを表示します。
  4. PC に「スマートフォンが接続しました。受け付けますか?」と表示されたら、受け付ける を押します(初めて接続する端末のみ)。
  5. スマートフォンで 撮影する または 写真・PDF を選ぶ を押して送ります。送った領収書は PC の一覧に追加されます。
  6. 使い終わったら、PC の画面を閉じます。閉じると受け付けを停止します。
  • 1 件 30MB まで、1 回の受付で 100 件まで送れます。
  • QR コードは、最後に受信してから 10 分で無効になります。使えなくなったら 新しい QR コードを作る を押してください。

つながらないとき

  • PC のネットワークの種類が「パブリック」:Windows の設定 → ネットワークとインターネット → Wi-Fi → 接続中のネットワークのプロパティで「プライベート ネットワーク」に変更します(自宅の Wi-Fi の場合)。
  • ファイアウォール:初回に表示される「Windows セキュリティの重要な警告」で、プライベート ネットワークでのアクセスを許可してください。
  • ゲスト用 Wi-Fi やホテル・店舗の Wi-Fi:端末同士の通信が禁止されていることがあります。別の Wi-Fi をお使いください。
  • VPN:PC が VPN に接続していると、つながらない場合があります。
  • 別の Wi-Fi に接続している:2.4GHz と 5GHz で名前が違う場合など、PC と同じ名前の Wi-Fi に接続してください。
この通信は暗号化されていません。同じ Wi-Fi にいる第三者に内容を見られるおそれがあるため、自宅など信頼できるネットワークでだけ使い、使い終わったら PC の画面を閉じてください。

8. 読み取り結果の確認と修正

8-1. 読み取る項目

項目内容
支払日領収書の日付。医療費集計フォームの「支払年月日」と、年分の判定に使います。
医療を受けた人患者名。登録した家族の名前にそろえます(全角 10 文字以内)。
病院・薬局などの名称支払先。法人格や長い正式名称を省き、全角 20 文字以内に整えます。
医療費の区分診療・治療/医薬品購入/介護保険サービス/その他の医療費 のいずれか(8-2)。
支払った医療費の金額窓口で実際に支払った金額(領収金額・お支払額)。保険点数や医療費の総額ではありません。
補填される金額高額療養費・出産育児一時金・保険の入院給付金など。領収書からは読み取れないので、集計と控除の試算 の画面などで入力します。
セルフメディケーション税制★印などの対象医薬品が含まれているか。
控除の対象外の疑い予防接種・文書料・日用品など、対象にならない可能性がある費用。
内容・備考診療科や品目のまとめ、補足など。
医療費通知に含まれる医療費通知に載っている領収書の印(12)。「含む」「含まない」または空欄。

明細情報 のタブには、品目・点数・金額・印(★など)・備考が 1 行ずつ表示されます。読み取る項目と AI への指示は 設定 → 領収書項目/領収書項目(明細) で変更できます。信頼度 は AI が自己申告した読み取りの確かさです。目安としてご覧ください。

8-2. 医療費の区分

区分主な例
診療・治療病院・診療所・歯科の診察・治療・入院、助産師による分娩の介助
医薬品購入調剤薬局の処方薬、ドラッグストアで買った治療のための医薬品
介護保険サービス介護保険の対象となる訪問看護・通所リハビリなど(医療系のサービス)
その他の医療費通院の交通費、はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧、医療用器具の購入など

区分は AI が判断します。違っていればドロップダウンから選び直してください。

8-3. 修正のしかた

  • 値のセルをダブルクリック(または F2)して修正します。区分はドロップダウンから選べます。
  • 修正すると自動チェックがやり直されます。
  • 病院・薬局などの名称や区分を直すと、その支払先の表示名と区分として覚え、次に同じ支払先を読み取ったときに自動で使います(設定 → 家族・支払先 で確認・削除できます)。
  • 間違えたときは 元に戻す(Ctrl+Z)で戻せます。

8-4. プレビューと画像ビューア

  • プレビューの回転ボタンで左右に 90 度回転できます。回転させた向きで AI に送られます(読み取り直すときは右クリック → 再処理)。
  • 複数ページの PDF は、ページ送りボタンまたは PageUp/PageDown でページを切り替えます。
  • 拡大表示(またはプレビューをクリック)で画像ビューアが開きます。拡大・縮小(Ctrl+ホイール、+/-)、回転、ドラッグでの移動ができます。Esc で閉じます。

8-5. 確認済みにする

内容を確かめた領収書は 確認済みにする(Ctrl+Enter)を押します。ファイル一覧に印が付き、もう一度押すと解除できます。

9. 自動チェック

読み取り後と修正後に、内容を自動で確認します。結果は 3 段階で表示され、該当するセルに色が付きます(セルにマウスを重ねると理由が表示されます)。

エラー 明らかな誤り。修正が必要です。 要確認 誤りの可能性があります。 補足 お知らせ。

チェック内容
読み漏れ医療を受けた人・病院などの名称・区分・金額・支払日が空欄になっていないか
文字数の制限医療を受けた人が全角 10 文字、病院などの名称が全角 20 文字を超えていないか(医療費集計フォームの制限)
年分のずれ支払日の年が今年でも昨年でもない(読み取りの誤りや、別の年分の領収書の可能性)
日付読めない日付、未来の日付、元号の取り違えの可能性
補填額補填される金額が、支払った医療費の金額を超えていないか
対象外の疑い予防接種・文書料・美容目的・日用品など、控除の対象にならない可能性がある費用(14. 対象の目安 の説明も表示)
セルフメディケーション★印などの対象医薬品が含まれている(集計で比べられるよう印を付けます)
明細の計算明細の合計と領収金額の食い違い
読み取りの補足AI が自動で補った値や、ページの一部だけを読んだ場合など

F8/Shift+F8 で、要確認・エラーの領収書へ順に移動できます。

10. 重複の検出

同じ領収書を二度追加したり、撮り直した写真を両方入れたりしたときに、重複の可能性を知らせます。画面の案内から 相手の領収書へ移動、重複ではない、この領収書を一覧から外す を選べます。

  • エクスポートや処理結果の保存をした領収書は記録され、あとで同じ領収書を取り込んだときにも警告します(設定 → ログ の 過去に処理した分との重複を照合する)。
  • 同じ病院に同じ日に同じ金額を払うこともあります(例:毎週のリハビリ)。内容を確かめて 重複ではない を選んでください。

11. 集計と控除の試算

ツール → 集計と控除の試算(Ctrl+G)で開きます。上部で 年分 を選び、必要なら 控除の対象外の疑いがある領収書を除く をオンにします。

11-1. 控除額の試算

総所得金額等 と 課税所得 を入れると、より正確に計算します(分からなければ空欄のままで、足切り額 10 万円・所得税率 10% として計算します)。給与だけの方は、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」が総所得金額等の目安です。

医療費控除の額 = 支払った医療費 − 補填される金額 − 足切り額(10 万円 または 総所得金額等の 5% の少ないほう)
(上限 200 万円)
セルフメディケーション税制の控除額 = 対象医薬品の購入額 − 1 万 2,000 円(上限 8 万 8,000 円)

戻る税金の目安は、控除額に所得税率(復興特別所得税を含む)と住民税 10% を掛けて計算します。2 つの制度はどちらか一方しか使えないため、有利なほうを画面に表示します。

表示する金額は目安です。実際の税額は、他の所得控除や住宅ローン控除などによって変わります。セルフメディケーション税制を使うには、健康診断・予防接種などの「一定の取組」を行っていることが条件です。

11-2. 高額療養費の見落とし

同じ人・同じ月の保険診療と調剤の支払いが 57,600 円を超えていて、補填額が入っていないときは、黄色い枠で知らせます。高額療養費が支給されていれば、その額を補填される金額として入れてください。限度額は所得によって 35,400〜252,600 円と幅があります。限度額適用認定証(マイナ保険証)で窓口の支払いが減っている場合は不要です。

11-3. 補填される金額の入力

画面下の 領収書ごとの一覧と、補填される金額の入力 で、補填(入力) の欄に金額を入れます。入れた値は一覧の表にも反映されます。

  • 補填されるもの:高額療養費、家族療養費、出産育児一時金、生命保険・損害保険の入院給付金・手術給付金など
  • 補填額は、その給付の目的となった医療費の額が上限です(ほかの医療費からは差し引きません)。

11-4. 人ごと・病院ごとの集計

医療を受けた人ごと・区分ごとの合計(グラフつき)と、病院・薬局などの名称ごとの合計を表示します。集計を Excel に保存 で表を保存できます。

12. 医療費通知のデータと照合

健康保険組合などから届く「医療費のお知らせ」(医療費通知)を確定申告に使うと、通知に載っている分は領収書の明細を入力しなくてよくなります。ただし、同じ受診を領収書でも入れると二重計上になります。この機能で、通知に載っている領収書に印を付けておきます。

  1. ツール → 医療費通知のデータと照合 を開きます。
  2. ファイルを選ぶ で、医療費通知のデータ(CSV、またはマイナポータルからダウンロードした医療費通知情報の XML)を選びます。
  3. 列の対応づけ を確かめます。どの列が診療年月・医療機関・自己負担額・受診者かは、列名から自動で推測し、API キーがあれば AI でも推測します(AI に送るのは列名と値の「形」だけで、氏名や金額そのものは送りません)。違っていれば選び直してください。
  4. 照合して印を付ける を押します。一致した領収書の 医療費通知に含まれる が「含む」になります。

結果には、通知にあって領収書が無いもの(作成コーナーでは通知の分がそのまま入力されるので問題ありません)と、通知の期間内なのに通知に無い領収書(自費診療など)も表示されます。

データが無い場合でも、書き出しのときに 医療費通知を使う をオンにすれば、保険診療・調剤の領収書を「通知に載る」とみなして外せます(13)。

13. 医療費集計フォームに書き出し

国税庁の「医療費集計フォーム」(Excel)に、医療を受けた人・病院などの名称・区分・金額・補填額・支払日を書き込みます。フォームはアプリに入っています。

13-1. 書き出しのしかた

  1. ツール → 医療費集計フォームに書き出し(Ctrl+Shift+E)を開きます。
  2. 年分 を選びます。支払日がその年のものだけを書き出します。
  3. 書き方を選びます(13-2)。
  4. 医療費通知を使う場合は 医療費通知を使う をオンにし、通知に載っている最後の月を選びます。
  5. 点検 の一覧を確かめ、出力先 を選んで 書き出し を押します。

13-2. 書き方と制限

書き方内容
1 件ずつ書く領収書 1 枚を 1 行に書きます。支払日も入ります。
医療を受けた人と病院・薬局などの名称ごとにまとめて書く同じ人・同じ支払先の領収書を 1 行にまとめます(支払日は空欄)。件数が多いときに向きます。
  • フォームに書けるのは 995 行までです。超える場合はまとめて書く方法を選んでください。
  • 医療を受けた人は全角 10 文字、病院などの名称は全角 20 文字までです。超えている場合は点検に表示されます。
  • 点検には、対象外の疑いがある領収書、年分が違うため外した領収書、高額療養費の確認も表示されます。

13-3. 確定申告書等作成コーナーで読み込む

  1. 国税庁の 確定申告書等作成コーナー で申告書の作成を始めます。
  2. 所得控除の入力で「医療費控除」を選び、「医療費集計フォームを利用する」→「集計フォーム読込画面へ」と進みます。
  3. 書き出したファイルを選んで読み込み、画面に反映された内容を確認します。
  • 書き出したファイルの列や書式を変更すると、読み込めなくなる場合があります。直したいときはアプリで直して書き出し直してください。
  • セルフメディケーション税制を選ぶ場合、このフォームは使えません。
  • 国税庁がフォームの新しい版を公開した場合は、書き出しの画面の フォームのテンプレート で、ダウンロードした新しいフォームを指定できます。

14. 医療費控除の対象の目安

ヘルプ → 医療費控除の対象の目安 で、迷いやすい費用(30 項目)が対象になるかどうかの目安を一覧で見られます。絞り込み に言葉を入れたり、「対象」「条件つき」「対象外」で絞り込んだりできます。国税庁のタックスアンサーの要旨をもとにしています。

読み取った内容や備考に当てはまる項目があると、自動チェックにも同じ説明が出ます。

表示は目安です。最終的な判断は、国税庁の案内や税務署にご確認ください。

15. エクスポート(Excel・CSV)

ツール → エクスポート(Ctrl+E)で、読み取った内容を Excel または CSV に出力します。家計簿や、ご自身で作った表に使うときに便利です。

  • オプション:ヘッダ行、ファイル名、信頼度(%)、明細情報、チェック結果を含めるかを選べます。
  • CSV の文字コードは UTF-8 と Shift-JIS から選べます(Excel で開くなら Shift-JIS が無難です)。

※ 確定申告に使うのは、13. 医療費集計フォームに書き出し のファイルです。

16. 領収書を保管用にまとめる

医療費控除では領収書を提出する必要はありませんが、申告期限から 5 年間の保管が必要です(税務署から提示を求められることがあります)。ツール → 領収書を保管用にまとめる で、年分ごとのフォルダに次のものをまとめます。

  • 領収書の画像・PDF のコピー(「支払日_人_支払先_金額」の名前)
  • 一覧表(Excel)
  • 読み取り結果(JSON。あとでアプリに読み込み直せます。オプション)
  • 説明書き(はじめにお読みください.txt)

元のファイルは動かしません。同じフォルダに前回の保管セットがあるときは、一覧と説明書きを上書きし、画像は同じ名前なら番号を付けて別に保存します。

紙の領収書も捨てずに、年分ごとの封筒などに入れて保管しておくと安心です。

17. ファイル名の自動変更

読み取った内容をもとに、領収書のファイル名を「日付_支払先_金額」などの形に変更できます。

  • 手動:ファイル一覧で選んで右クリック → ファイル名変更。
  • 自動:設定 → ファイル名 の 処理完了後に自動変換 をオンにします。
  • 名前の形(項目の並び・日付や金額の書き方・区切り文字)は、設定 → ファイル名 でプロファイルとして作れます。
ファイル名を変えると、元のファイルの名前そのものが変わります。元の名前のまま残したい場合は、16. 保管用にまとめる(コピーに名前を付けます)をお使いください。

18. 作業の保存・自動保存・検索

18-1. 自動保存

作業中の一覧(読み取り結果・修正・補填額など)は、30 秒ごとと、アプリを閉じるときに自動で控えられます。次に起動すると、続きから始まります。オン・オフは 設定 → ログ の 作業中の一覧を自動で控え、次の起動で続きから開く で切り替えます。

18-2. 処理結果の保存と読み込み

  • 保存(Ctrl+S):今の一覧を処理結果のファイル(JSON)に保存します。年分ごとに分けて残したいとき、別の PC に移すときに使います。
  • 読み込み(Ctrl+L):保存した処理結果を読み込みます。
  • クリア(Ctrl+N):一覧を空にします(ファイル自体は削除されません)。翌年分を始めるときは、保存してからクリアします。

18-3. 検索

検索(Ctrl+F)で、検索ワードと検索対象の項目(病院・薬局などの名称、医療を受けた人など)を選んで領収書を探せます。F3/Shift+F3 で次・前を検索します。検索ワードは履歴(最大 10 件)に残ります。

19. Gemini API の費用の目安(利用状況)

設定 → 利用状況 で、読み取りにかかった Gemini API の利用料の目安を確認できます。

  • 今月の利用(目安)、モデル別・処理の種類別の内訳、過去 12 か月の推移を表示します。
  • API キーからは無料枠か有料枠かが分からないため、課金の有無 をご自身で選んでください。
  • 月の推定費用が設定した金額を超えたら知らせる、予算の通知 も設定できます。
  • 正確な請求額は、Google AI Studio の使用状況を開く から Google の画面で確認してください。

家庭の 1 年分(数十〜百数十枚)の領収書であれば、費用はわずかで、無料枠に収まることもあります。

20. 設定

ツールバーの 設定(Ctrl+Shift+S)で開きます。変更したら 保存 を押します。

タブ内容
フォーマット日付・金額の書き方(エクスポートやファイル名で使う形)
医療費の区分区分の一覧(医療費集計フォームの 4 区分)
ファイル名ファイル名の形のプロファイル、処理完了後の自動変換(17)
領収書項目読み取る項目と、AI への読み取りの指示。表示・並び順の変更や項目の追加ができます。
領収書項目(明細)明細として読み取る項目(品目・点数・金額・印・備考)
家族・支払先家族の名前の一覧と、覚えた支払先の表示名・区分(2-3、8-3)
ログログの記録、データの保存場所、自動保存、重複の照合(処理済みの記録)
APIGemini API キー、設定ウィザード、AI モデル(APIバージョン)、同時処理数
利用状況Gemini API の費用の目安(19)
ライセンスライセンス状態、購入(買い切り)、ライセンス情報の更新

画面下の 設定をエクスポート/設定をインポート で、設定を別の PC に移せます。設定をデフォルトに戻す で初期状態に戻ります。

21. ショートカットキー

アプリでは ヘルプ → ショートカットキー一覧(Ctrl+F1)でも確認できます。

キー操作
Ctrl+O領収書ファイルを追加
Ctrl+Shift+Oフォルダから追加
Ctrl+M領収書のない支出を入力
Ctrl+Pスマートフォンから取込
Ctrl+R全件処理(未処理の領収書をまとめて読み取り)
Esc処理を中止(確認あり)
F5選んでいるファイルを再読み込み
F8/Shift+F8次/前の要確認・エラーの領収書へ移動
Alt+←/→前/次のファイルを選択
Home/End最初/最後のファイルを選択(ファイル一覧で)
PageUp/PageDown複数ページ PDF のページ送り
F2選んだセルを編集
Ctrl+Enter確認済みにする/解除する
Ctrl+Z元に戻す
Ctrl+Y/Ctrl+Shift+Zやり直す
Ctrl+V選んだセルに貼り付け
Ctrl+Aファイルを全選択(ファイル一覧で)
Delete選んだファイルを一覧から外す(ファイル一覧で)
Ctrl+G集計と控除の試算
Ctrl+Shift+E医療費集計フォームに書き出し
Ctrl+Eエクスポート(Excel・CSV)
Ctrl+S/Ctrl+L処理結果を保存/読み込み
Ctrl+N全てクリア
Ctrl+F検索(Enter で前回の条件で次を検索)
Ctrl+Shift+S設定
F1/Ctrl+F1マニュアル/ショートカットキー一覧
F12バージョン情報

22. 困ったときは

症状対処
ファイルを追加できないライセンスが有効か確かめてください(設定 → ライセンス)。試用期間が終わっている場合は購入が必要です。処理中は追加できません。
読み取りでエラーになる設定 → API の APIキーをテスト で、API キーが有効か確かめてください。インターネットに接続しているかも確認します。
「リクエストが多すぎる」などのエラーが出る無料枠の上限に達した可能性があります。少し時間をおくか、同時処理数 を減らしてください。続く場合は Google AI Studio で有料枠を有効にします。
金額が保険点数や総医療費になっている窓口で支払った金額(領収金額・お支払額)に直してください。右クリック → 再処理 で読み直すか、AI モデルを gemini-3.8-flash に変えると改善する場合があります。
名前が家族の名前にならない設定 → 家族・支払先 に家族の名前を登録してください。表で直した名前も一覧に加わります。
支払日の年が違う領収書が混ざっている書き出しや集計では、選んだ年分以外の領収書は自動で外れます。去年の分を申告に含めることはできないので、そのままで問題ありません(読み取りの誤りなら支払日を直します)。
作成コーナーで読み込めない書き出したファイルを Excel で編集・保存し直していないか確かめてください。アプリから書き出し直すと直る場合があります。国税庁のフォームの版が変わった場合は、新しいフォームを フォームのテンプレート に指定してください。
HEIC の写真がプレビューに表示されない5-4 の拡張機能を入れてください。読み取りはそのままできます。
スマートフォンからつながらない7. スマートフォンから取り込む の「つながらないとき」をご覧ください。
前回の作業が消えた自動保存がオンか確かめてください(18-1)。保存した処理結果があれば 読み込み で開けます。

23. よくある質問

医療費控除とセルフメディケーション税制は両方使えますか?
どちらか一方しか使えません。集計と控除の試算 で、どちらが有利かを比べられます。
家族の分もまとめて申告できますか?
生計を一にする配偶者や親族のために支払った医療費は、支払った人がまとめて控除を受けられます。共働きの場合などは、所得税率の高い人がまとめると戻る税金が多くなることがあります。
去年の領収書も入れていいですか?
医療費控除は、その年(1 月 1 日〜12 月 31 日)に実際に支払った医療費が対象です。書き出しや集計では、選んだ年分の領収書だけが対象になります。申告していない過去の年分は、5 年以内なら還付申告ができます(年分を切り替えて書き出してください)。
補填される金額は、どこで分かりますか?
高額療養費の支給決定通知書、保険会社からの給付金の支払通知、出産育児一時金の通知などに書かれています。領収書には書かれていないため、集計と控除の試算 の画面で入力してください。
医療費通知を使っても、領収書は保管が必要ですか?
医療費通知に載っている分は、領収書の保管が不要になります(通知は保管します)。通知に載らない分(市販薬・自費診療・交通費など)の領収書は 5 年間保管してください。
領収書のデータは安全ですか?
読み取り結果はお使いの PC に保存され、当社のサーバーには送信しません。読み取りのため、領収書の画像は Google の Gemini API に送信されます。25. データの取り扱い をご覧ください。
手書きの領収書も読み取れますか?
読み取れますが、活字に比べて精度が下がる傾向があります。自動チェックと確認画面で見直してください。
複数の PC で使えますか?
同じ Microsoft アカウントでサインインした Windows PC であれば、Microsoft Store のルールに従ってインストールできます。作業のデータは PC ごとに保存されるので、移すときは 保存 した処理結果を別の PC で 読み込み ます。
Mac で使えますか?
Windows 10/11(64bit)専用です。Mac 版は提供していません。

24. ライセンス・料金

  • 料金:1,450 円(税込)の買い切りです。月額・年額の料金はありません。アップデートは追加料金なしで提供します。
  • 無料試用:Microsoft Store から「無料試用」でインストールすると、7 日間すべての機能を使えます。
  • 試用期間が終わっても、自動で購入・請求されることはありません。続けて使う場合は、設定 → ライセンス → ライセンスを購入(買い切り) から購入してください。
  • 購入後にライセンスが反映されない場合は、ライセンス情報を更新 を押してください。
  • Gemini API の利用料は本アプリの料金とは別に、Google の料金体系に従います(無料枠あり)。

25. データの取り扱い

  • PC に保存するもの:設定、作業中の一覧(自動保存)、処理済みの記録(重複の照合用)、利用状況、ログ。保存場所は 設定 → ログ の データの保存場所 で確認できます。当社のサーバーには送信しません。
  • Google に送るもの:読み取りのため、領収書の画像(または PDF)と読み取りの指示を Google の Gemini API に送ります。医療費通知の列の推測では、列名と値の「形」(数字を 9、文字を 漢 などに置き換えたもの)だけを送り、氏名や金額は送りません。
  • 無料枠について:Google の無料枠では、送った内容が Google のサービス改善に使われる場合があります。医療の情報を扱うため、有料枠(課金)を有効にしてのご利用をおすすめします。詳しくは Google の利用規約をご確認ください。
  • スマートフォンからの取込:同じ Wi-Fi の中だけで PC に直接送ります。外部のサーバーは使いません。

詳しくは プライバシーポリシー をご覧ください。

26. 使用しているライブラリ

本アプリは、次のオープンソースソフトウェアなどを使用しています。各ライブラリの著作権は、それぞれの著作者に帰属します。

  • ClosedXML(MIT License)
  • DocumentFormat.OpenXml / Open XML SDK(MIT License)
  • PDFsharp(MIT License)
  • PdfiumViewer(Apache License 2.0)/PDFium(BSD 3-Clause License ほか)
  • SkiaSharp(MIT License)
  • QRCoder(MIT License)
  • Microsoft.Data.Sqlite(MIT License)
  • Microsoft.Extensions.Http.Polly/Polly(BSD 3-Clause License)
  • Windows App SDK(MIT License)

医療費集計フォームは国税庁が提供するものです。Google、Gemini、Microsoft、Windows、iPhone は、各社の商標または登録商標です。

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