請求書らくらく読取 マニュアル

請求書らくらく読取 マニュアル

取引先から受け取った請求書の画像や PDF を AI(Google Gemini)が読み取り、表・Excel・CSV・会計ソフト用の仕訳 CSV にまとめるアプリです。支払期限や振込先の自動チェック、勘定科目の学習、電子帳簿保存法に沿った保存台帳、スマートフォンからの取り込みにも対応しています。

対象バージョン:5.0.0

1. はじめに(動作環境・準備)

OSWindows 10 / 11(64 ビット)
メモリ4GB 以上(大量の写真をまとめて処理する場合は 8GB 以上を推奨)
インターネット読み取りに必須(Google Gemini API を使います)
Gemini API キーGoogle AI Studio で取得します(2. 最初の設定)
入手方法Microsoft Store からインストールします
HEIC(iPhone の写真)プレビューや回転には、Microsoft Store の「HEIF 画像拡張機能」と「HEVC ビデオ拡張機能」が必要です(詳しく)

このアプリでできること

  • AI による読み取り:請求書番号・請求日・支払期限・請求元(名称・住所・電話・FAX)・登録番号・振込先の口座・金額・税額・件名・明細・勘定科目などを自動で読み取ります。
  • 自動チェック:支払期限、振込先の口座の形式、金額の検算、税率ごとの内訳、登録番号の形式などを確認し、確認が必要な請求書だけを知らせます。
  • 重複の検出:同じ請求書の二重取り込みを、請求書番号などをもとに見つけます。
  • 勘定科目の学習:直した勘定科目を取引先ごとに覚え、次から自動で入力します。
  • 出力:Excel・CSV のほか、freee 会計・マネーフォワード クラウド会計・弥生会計の取込形式の仕訳 CSV(未払金・買掛金で計上、支払時の仕訳も可)を出力します。
  • 電子帳簿保存法:ファイル名の自動変更、保存台帳(検索・訂正履歴・整合性の確認)、索引簿、事務処理規程のひな形に対応します。
  • スマートフォンから取込:QR コードを読み取り、撮った紙の請求書を同じ Wi-Fi で PC に送ります。

2. 最初の設定(無料試用と API キー)

初めて起動したときは、次の 2 つを行います。どちらも済ませると、請求書の読み取りができるようになります。

2-1. 無料試用を始める

  1. 起動時に表示される案内に従って 設定 を開きます(ツールバーの 設定、または Ctrl+Shift+S)。
  2. 左の一覧から ライセンス を選び、無料試用を開始 を押します。
  3. Microsoft Store の画面で手続きを済ませます。ライセンス状態 に試用中であることと残り日数が表示されます。
試用(またはご購入)を開始するまでは、請求書ファイルを追加できません。料金と自動更新については 19. ライセンス・料金 をご覧ください。

2-2. Gemini API キーを設定する

API キーが未設定のときは、API キー設定ウィザード が自動で開きます。画面の案内に沿って進めれば設定できます。あとから設定する場合は 設定 → API → 設定ウィザードを開く を押します。

  1. Google AI Studio(aistudio.google.com)に Google アカウントでログインします。
  2. Get API key(API キーを取得)から API キーを作成し、コピーします。
  3. ウィザード(または 設定 → API の APIキー 欄)に貼り付け、APIキーをテスト で有効か確かめます。
  • 無料枠と有料枠:Google の無料枠では、送った内容が Google のサービス改善(AI の学習)に使われる場合があります。業務の請求書を扱う場合は、Google AI Studio で課金(有料枠)を有効にすることをおすすめします。
  • 利用料:Gemini API の利用料は Google の料金体系に従い、Google から請求されます(無料枠あり)。使用状況は Google AI Studio で確認できます。
  • API キーは秘密の情報です。他人に教えないでください。漏れたおそれがある場合は、Google AI Studio で古いキーを削除し、新しいキーを作って設定し直してください。

2-3. AI モデルを選ぶ(任意)

設定 → API の APIバージョン で、使う AI モデルを選べます。

モデル特徴
gemini-3.5-flash-lite(既定・おすすめ)高速で低コスト。一般的な請求書の大量処理に向きます。
gemini-3.8-flash読み取りの精度を重視。文字が小さい、レイアウトが複雑など、うまく読めない請求書に向きます(費用は高めです)。

3. 画面の見方

場所内容
上部(ツールバー)請求書ファイル追加(ファイル/フォルダ/スマートフォンから取込)、検索、全件処理開始、処理結果保存、処理結果読み込み、エクスポート、台帳、クリア、設定、ヘルプ
左(ファイル一覧)追加した請求書の一覧。ファイルの種類、処理の状態(完了・エラーなど)、確認の状態、請求元と金額が表示されます。上部の 要確認 ○ 件 / エラー ○ 件 を押すと、確認が必要な請求書だけに絞り込めます。
右上(プレビュー)選んだ請求書の画像。左右の回転、PDF のページ送り、拡大表示 ができます。
右下(読み取り結果)自動チェック の結果と、基本情報・明細情報 の表。値はその場で修正できます。確認済みにする、台帳に登録 のボタンもここにあります。
最下部(ステータスバー)処理の状態と進み具合(処理済み件数/全件数)

4. 基本の使い方

  1. 追加:請求書ファイル追加 から請求書を追加します(ドラッグ&ドロップでも追加できます)。
  2. 読み取り:全件処理開始(Ctrl+R)を押します。複数の請求書を並行して読み取ります。中止するときは Esc を押します。
  3. 確認:F8 で確認が必要な請求書へ順に移動し、プレビューと見比べて必要なら修正します。問題がなければ 確認済みにする(Ctrl+Enter)を押します。
  4. 出力:エクスポート(Ctrl+E)で Excel・CSV・仕訳 CSV に出力します。
  5. 保存(必要な場合):台帳に登録 で、電子帳簿保存法に沿って保存台帳に保存します。
特定の請求書だけを読み取る(または読み取り直す)ときは、ファイル一覧で選んで右クリックし、処理 または 再処理 を選びます。

5. 請求書の追加

5-1. 追加のしかた

  • 請求書ファイル追加 → ファイル(Ctrl+O):ファイルを選びます。複数選択できます。
  • 請求書ファイル追加 → フォルダ(Ctrl+Shift+O):フォルダ内の請求書をまとめて追加します。サブフォルダも含めるかを選べます。
  • 請求書ファイル追加 → スマートフォンから取込(Ctrl+P):6. スマートフォンから取り込む
  • エクスプローラーから、ファイルやフォルダをウィンドウにドラッグ&ドロップします。

5-2. 対応している形式

PDF、JPEG(.jpg / .jpeg)、PNG、HEIC / HEIF、WebP、TIFF、BMP、GIF

5-3. 複数ページの PDF

2 ページ以上ある PDF を追加すると、追加のしかたを選ぶ画面が出ます。

選択動作向いている場合
ページごとに分割して追加1 ページずつ別の PDF にして、それぞれを 1 枚の請求書として読み取ります。分割したファイルは元の PDF と同じフォルダに作られます。複数の請求書をまとめてスキャンした PDF(1 ページに 1 通)
1つのファイルとして追加全ページをまとめて 1 件の請求書として読み取ります。1 通の請求書が複数ページに分かれている場合(明細が 2 ページ目に続くなど)
追加しないその PDF を追加しません。—
  • 分割するときに「元のファイルをごみ箱に移動する」をオンにすると、元の PDF をごみ箱に移します。ネットワークドライブや一部の USB メモリなど、ごみ箱のない場所では完全に削除される場合があるのでご注意ください。
  • 「1つのファイルとして追加」でも、ファイルが大きすぎる場合(約 12MB を超える場合)や、プレビューで回転させた場合は、1 ページ目だけを読み取ります。このときは自動チェックで知らせます。

5-4. HEIC(iPhone の写真)について

HEIC / HEIF の写真は、そのまま読み取りできます。ただし、アプリ内でのプレビュー表示や回転には、Windows に次の 2 つの拡張機能(Microsoft Store)が必要です。入っていない場合は、アプリが案内を表示します。

  • HEIF 画像拡張機能(無料)
  • HEVC ビデオ拡張機能(有料の場合があります。PC メーカーの無料版が入っている機種もあります)

5-5. ファイル一覧の操作

  • クリックで選択、Ctrl/Shift+クリックで複数選択、Ctrl+A で全選択
  • Delete で一覧から外す(ファイル自体は削除されません)
  • ドラッグで並べ替え
  • 右クリックのメニュー:クリア、処理、再処理、ファイル名変更、台帳に登録、格納フォルダを開く、ファイルを再読み込み、並べ替え(名前・更新日時・種類)

6. スマートフォンから取り込む

スマートフォンで撮った紙の請求書を、同じ Wi-Fi を通して PC のアプリに直接送れます。スマートフォンにアプリを入れる必要はありません(iPhone・Android のブラウザで使えます)。

  1. PC とスマートフォンを同じ Wi-Fiに接続します。
  2. アプリで 請求書ファイル追加 → スマートフォンから取込(Ctrl+P)を選ぶと、QR コードが表示されます。
  3. スマートフォンのカメラで QR コードを読み取り、開いたページを表示します。
  4. PC に「スマートフォンが接続しました。受け付けますか?」と表示されたら、受け付ける を押します(初めて接続する端末のみ)。
  5. スマートフォンで 撮影する または 写真・PDF を選ぶ を押して送ります。送った請求書は PC の一覧に追加されます(一覧に 📱 の印が付きます)。
  6. 使い終わったら、PC の画面を閉じます。閉じると受け付けを停止します。
  • 1 件 30MB まで、1 回の受付で 100 件まで送れます。
  • QR コードは、最後に受信してから 10 分で無効になります。使えなくなったら 新しい QR コードを作る を押してください。

つながらないとき

  • PC のネットワークの種類が「パブリック」:Windows の設定 → ネットワークとインターネット → Wi-Fi → 接続中のネットワークのプロパティで「プライベート ネットワーク」に変更します(自宅や職場の Wi-Fi の場合)。
  • ファイアウォール:初回に表示される「Windows セキュリティの重要な警告」で、プライベート ネットワークでのアクセスを許可してください。
  • ゲスト用 Wi-Fi やホテル・店舗の Wi-Fi:端末同士の通信が禁止されていることがあります。別の Wi-Fi をお使いください。
  • VPN:PC が VPN に接続していると、つながらない場合があります。
  • 別の Wi-Fi に接続している:2.4GHz と 5GHz で名前が違う場合など、PC と同じ名前の Wi-Fi に接続してください。
この通信は暗号化されていません。同じ Wi-Fi にいる第三者に内容を見られるおそれがあるため、自宅や職場など信頼できるネットワークでだけ使い、使い終わったら PC の画面を閉じてください。

7. 読み取り結果の確認と修正

7-1. 基本情報と明細情報

  • 基本情報:請求書番号、請求日、支払期限、請求元名称・住所・電話番号・FAX 番号、登録番号、請求先、振込先(銀行名・金融機関コード・支店名・支店コード・口座種別・口座番号・口座名義)、件名、税抜金額、税額、合計金額、税率ごとの対象額と消費税額、勘定科目、備考(項目は設定で変更できます)
  • 明細情報:商品名・数量・単位・単価・金額・税率・消費税額・勘定科目・備考など、1 行ずつの明細
  • 信頼度:AI が自己申告した読み取りの確かさです。目安としてご覧ください。

7-2. 修正のしかた

  • 値のセルをダブルクリック(または F2)して修正します。
  • 勘定科目はドロップダウンから選べます(直接入力もできます)。学習した科目が上位に表示されます。
  • 修正すると自動チェックがやり直されます。

7-3. プレビューと画像ビューア

  • プレビューの回転ボタンで左右に 90 度回転できます。回転させた向きで AI に送られます(読み取り直すときは右クリック → 再処理)。
  • 複数ページの PDF は、ページ送りボタンまたは PageUp/PageDown でページを切り替えます。
  • 拡大表示(またはプレビューをクリック)で画像ビューアが開きます。拡大・縮小(Ctrl+ホイール、+/-)、ウィンドウに合わせる、実寸表示、回転、ドラッグでの移動ができます。Esc で閉じます。

7-4. 確認済みにする

内容を確かめた請求書は 確認済みにする(Ctrl+Enter)を押します。ファイル一覧に印が付き、もう一度押すと解除できます。確認済みにすると、勘定科目の学習にも反映されます。

8. 自動チェック

読み取り後と修正後に、内容を自動で確認します。結果は 3 段階で表示され、該当するセルに色が付きます(セルにマウスを重ねると理由が表示されます)。

エラー 明らかな誤り。修正が必要です。 要確認 誤りの可能性があります。 補足 お知らせ(自動で計算した値など)。

チェック内容
支払期限支払期限が読み取れない、請求日より前になっている(エラー)、すでに過ぎている(補足。支払済みか確認)
振込先の口座金融機関コード 4 桁・支店コード 3 桁・口座番号 7 桁になっているか、口座種別(普通・当座・貯蓄)、口座名義がカナか。ゆうちょ銀行の記号・番号の形式はお知らせのみ
金額の整合税抜金額+税額=合計金額になっているか
税率ごとの内訳10% と 8%(軽減税率)の対象額・税額が合計と合っているか
明細の計算数量×単価=金額、明細の合計=税抜金額・合計金額になっているか
金額の妥当性0 円以下・マイナス、税率が高すぎる/低すぎる、桁の食い違いなど
小数の金額小数を含む金額(外貨や読み取りの誤りの可能性)
日付読めない請求日、未来の日付、7 年より前の日付(元号の取り違えの可能性)
インボイスの記載事項登録番号や税率ごとの金額が読み取れているか
登録番号「T+13 桁」の形式と、検査用の数字(チェックデジット)が正しいか
自動計算した値読み取れなかった値を、ほかの金額から計算して補った場合のお知らせ
処理の注意複数ページ PDF の 1 ページ目だけを読み取った場合など
画像の解像度画素数が少なく、細かい文字を読み取りにくい可能性がある画像
  • F8/Shift+F8 で、次/前の要確認・エラーの請求書へ移動します。
  • ファイル一覧の上の 要確認 ○ 件 / エラー ○ 件 を押すと、該当する請求書だけを表示します。
登録番号のチェックは形式と検査用の数字の確認だけで、国税庁の公表サイトとの照合は行いません。実在の確認が必要な場合は、国税庁の「適格請求書発行事業者公表サイト」でご確認ください。

9. 重複の検出

同じ請求書の二重取り込みを、次の方法で見つけます。今の一覧の中だけでなく、過去に処理した請求書(最長 7 年分)とも照合します。

判定内容
エラー 同じファイルファイルの中身が完全に同じ
要確認 同じ内容請求書番号と請求元が同じ。請求書番号がない場合は、請求元(または登録番号)・請求日・合計金額が同じ
要確認 よく似た画像撮り直し・スキャンし直しなどで見た目がほぼ同じ。ただし、両方の読み取り結果を比べて請求書番号・請求日・金額が違う場合は、同じひな形の別の請求書として重複にしません

重複の疑いがあると、結果の上に案内が表示されます。相手の請求書へ移動、重複ではない(以後この組み合わせは知らせません)、この請求書を一覧から外す から選べます。

過去の処理履歴を使うかどうかと、似た画像と判定する厳しさは、設定 → ログ で変更できます。

10. 勘定科目の学習

勘定科目を直すと、アプリが請求元ごとに覚え、次からその請求元の請求書に自動で入力します。

  • 取引先の見分け方:登録番号 → 名前 → 電話番号の順に照合します。「株式会社」「(株)」「○○店」などの表記の違いがあっても、同じ取引先として扱います。
  • 当てはめる条件(既定):その取引先で同じ科目に 2 回以上直され、その割合が 80% 以上のとき。表で直すと強い学習(2 回分)、確認済みにする・台帳に登録すると弱い学習(1 回分)として数えます。
  • 件名による使い分け:同じ請求元でも内容によって科目が違う場合(定期点検は修繕費、部品の購入は消耗品費など)、件名の言葉ごとに覚えます。
  • 表示:学習で入った科目には 学習、固定した規則には 固定 の印が付きます。印にマウスを重ねると理由が表示されます。
  • まとめて当てはめ:科目を直したとき、同じ取引先のほかの未確認の請求書にも当てはめるか確認されます。当てはめた後 30 秒間は、ステータスバーの 元に戻す で取り消せます。

学習した規則は 設定 → 勘定科目の学習 で、確認・追加・編集・削除・固定・すべて消去できます。エクスポート/インポート で別の PC に移すこともできます。

11. 出力(Excel・CSV・仕訳 CSV)

エクスポート(Ctrl+E)で、形式と出力先を選びます。

形式内容
Excel基本情報の表と、明細情報のシートを出力します。行は読み取りの確かさで色分けされます。
CSV文字コードは UTF-8 または Shift-JIS を選べます。明細は別の CSV ファイル(○○_明細.csv)に出力します。
仕訳CSV(会計ソフト取込用)freee 会計・マネーフォワード クラウド会計・弥生会計の取込形式で出力します。

Excel・CSV のオプション:ヘッダ行を含める、ファイル名を含める、信頼度(%)を含める、明細情報を含める、チェック結果を含める。列は、設定の 請求書項目 で表示にしている項目が、その順番で並びます。

11-1. 仕訳 CSV

  • 計上の仕訳:日付は請求日、借方は勘定科目、貸方は「未払金」または「買掛金」です(設定 → 仕訳出力 の 貸方勘定科目(計上時) で選びます)。
  • 支払の仕訳(任意):支払時の仕訳も出力する をオンにすると、日付を支払期限として「借方:未払金(または買掛金)/貸方:普通預金など」の仕訳も出力します。支払時の貸方科目も設定で変更できます。
  • 10% と 8% が混ざった請求書は、税率ごとに行を分けた複合仕訳になります。
  • 税区分は、税率と登録番号の有無から決まります。登録番号のない取引先には、インボイス制度の経過措置(控除割合)を当てはめます。
  • 摘要は「請求元+件名」になります。
  • 請求日や金額が読み取れていない請求書は出力されません。出力前に問題が見つかると一覧で表示され、該当の請求書へ移動して直すか、そのまま出力するかを選べます。
会計ソフト形式の特徴
弥生会計弥生会計の仕訳日記帳のインポート形式(Shift-JIS)。税計算区分(税込/内税)を設定で選べます。
freee 会計freee の仕訳のインポート形式。文字コードを設定で選べます。
マネーフォワード クラウド会計マネーフォワードの仕訳帳のインポート形式(インボイスの列を含む)。文字コードを設定で選べます。
初めて取り込むときは、少ない件数で試し、会計ソフト側で勘定科目・税区分・補助科目が正しく取り込まれるか確認してください。会計ソフト側に存在しない勘定科目名は、取り込み時にエラーになることがあります。

12. ファイル名の自動変更

読み取った内容から、請求書のファイル名を「請求日_請求元_金額」のような形にそろえます。電子帳簿保存法の検索要件に沿った保存に役立ちます。

  • 手動:ファイル一覧で右クリック → ファイル名変更(複数選択可)
  • 自動:設定 → ファイル名 で 処理完了後に自動変換 をオンにすると、読み取り後に自動で変更します。
  • 形式:請求日、支払期限、現在の日付、請求元、合計金額、請求書番号、請求先、税額、税抜金額、固定の文字などを組み合わせて作れます。日付と金額の書き方も選べ、プレビュー で結果を確認できます。既定は「請求日_請求元_合計金額_請求書」です。
  • 同じ名前のファイルがある場合は、末尾に (2) などを付けます。
ファイル名の変更は、元のファイルそのものの名前を変えます。元の名前で管理しているフォルダがある場合はご注意ください。

13. 保存台帳(電子帳簿保存法)

請求書のファイルと読み取った内容を、電子帳簿保存法の要件を意識した形で保存・管理する機能です。ツールバーの 台帳(Ctrl+D)で開きます。

法令の要件を満たすかどうかは、事務処理規程の整備などを含めた運用の方法によって異なります。詳しくは国税庁の資料や税理士にご確認ください。

13-1. 準備

設定 → 保存台帳 で、保存フォルダ と 保存年数(既定 7 年)を設定します。OneDrive などの同期フォルダは避けてください(同期による競合でデータが壊れるおそれがあるため、警告が表示されます)。

13-2. 台帳に登録する

  1. 請求書を選び、台帳に登録(Ctrl+Shift+D)を押します。確認済みの請求書もまとめて登録する を選ぶと、確認済みのものをまとめて登録できます。
  2. 取引日・金額・取引先、受け取り方(電子取引/スキャナ保存)、書類の種類 を確かめて 登録する を押します。
  • ファイルは保存フォルダの「年/月」のフォルダにコピーされ、読み取り専用になります。
  • 取引日・金額・取引先が空の請求書や、エラーが残っている請求書は登録できません。

13-3. 検索

台帳の画面で、取引日・金額 の範囲、取引先、勘定科目、書類の種類、受け取り方 を組み合わせて検索できます。件数と合計金額が表示され、検索結果を出力 で Excel・CSV に書き出せます。

13-4. 訂正・削除(取消)

  • 一覧で 詳細・履歴 を開くと、内容の訂正、ファイルの差し替え、取消ができます。いずれも理由の入力が必須です。
  • データは削除されず、「いつ・誰が・何を・なぜ」変えたかが履歴として残ります。差し替え前のファイルも版として保管されます。

13-5. ツール

  • 整合性の確認:履歴の改ざんや、保存ファイルの変更・欠落がないかを確認します。起動時にも定期的(既定 7 日ごと)に確認します。
  • 索引簿を出力(Excel):国税庁のサンプルに沿った形式の索引簿を作ります。
  • 事務処理規程のひな形を出力(Word):法人用・個人事業者用のひな形を作ります。内容は実際の運用に合わせて修正してください。
  • 保存期間満了の整理:保存期間を過ぎたものを「整理済み」にします(削除はしません)。
  • バックアップを作成(ZIP)/バックアップから復元:台帳全体のバックアップと復元。最後のバックアップから 30 日以上たつとお知らせします。
保存台帳のバックアップは、PC とは別の場所(外付けドライブなど)にも定期的に保管してください。

14. 作業の保存・検索・復元

  • 処理結果保存(Ctrl+S)/処理結果読み込み(Ctrl+L):作業の途中の一覧と読み取り結果をファイル(JSON 形式)に保存し、あとで続きから再開できます。
  • 検索(Ctrl+F):キーワードで読み取り結果を探します。対象(すべての項目、基本項目、明細項目、特定の項目、ファイル名)を選べ、F3/Shift+F3 で次/前を検索します。
  • 自動バックアップ:作業内容は一定時間ごとに自動でバックアップされます。アプリが異常終了した場合は、次の起動時に復元するか確認されます。
  • アプリを閉じるとき、処理済みの請求書があれば保存するか確認されます。

15. 設定

ツールバーの 設定(Ctrl+Shift+S)で開きます。

項目内容
フォーマット日付(西暦・和暦など)と金額(カンマ区切り・円記号・漢数字など)の表示形式
勘定科目勘定科目の一覧の追加・名前変更・削除・並べ替え。この一覧の中から AI が科目を選びます。
ファイル名ファイル名の形式(プロファイルごと)と、処理完了後の自動変換
請求書項目読み取る項目の追加・削除・並べ替え・表示切替。項目ごとに 抽出指示(AI への指示文)を調整できます。用途に応じてプロファイルを切り替えられます。
請求書項目(明細)明細の項目を同様に設定します。
仕訳出力既定の会計ソフト、弥生会計の税計算区分、文字コード、計上時の貸方勘定科目(未払金/買掛金)、支払時の仕訳の出力と貸方科目
保存台帳保存フォルダ、保存年数、起動時の整合性の確認、索引簿の出力、バックアップと復元
勘定科目の学習学習のオン/オフと条件、学習した規則の一覧と編集、エクスポート/インポート
ログログの記録(既定はオフ)、処理履歴の消去、重複判定の厳しさ
APIGemini API キー、キーのテスト、設定ウィザード、AI モデル(APIバージョン)、同時処理数
ライセンスライセンスの状態と有効期限、購入、無料試用の開始、情報の更新
  • 項目ID はアプリ内部で使う名前です。必要な場合を除き変更しないでください。
  • 同時処理数(既定 3)を増やすと速くなりますが、メモリの使用量と API の利用量が増えます。Google の無料枠では上限に達しやすくなります。
  • 画面下部の 設定をエクスポート/設定をインポート で、設定を別の PC に移せます(API キーは含まれません)。設定をデフォルトに戻す で初期状態に戻せます。

16. ショートカットキー

アプリ内では Ctrl+F1 で一覧を表示できます。

分類キー動作
ファイル操作Ctrl+O請求書ファイルを追加
Ctrl+Shift+Oフォルダから追加
Ctrl+Pスマートフォンから取込
Ctrl+S処理結果を保存
Ctrl+L処理結果を読み込み
Ctrl+Eエクスポート
Ctrl+D保存台帳を開く
Ctrl+Shift+D選択中の請求書を台帳に登録
Ctrl+N/Deleteすべてクリア/選択したファイルを一覧から外す
処理Ctrl+R全件処理開始
F5表示中のファイルを再読み込み
Esc処理を中止
移動Alt+←/→前/次のファイル
Home/End最初/最後のファイル(ファイル一覧を選択中)
F8/Shift+F8次/前の要確認・エラーの請求書
PageUp/PageDownPDF の前/次のページ
編集F2選択したセルを編集
Ctrl+Enter確認済みにする/解除する
Ctrl+Aファイルを全選択(ファイル一覧を選択中)
Ctrl+C選択したデータをコピー
検索Ctrl+F検索ウィンドウを開く
F3/Shift+F3次/前を検索(検索ウィンドウ)
Enter前回の条件で次を検索
その他Ctrl+Shift+S設定を開く
F1マニュアル
Ctrl+F1ショートカットキー一覧
F12バージョン情報

17. 困ったときは

症状対処
ファイルを追加できない無料試用またはご購入が必要です(2-1)。設定 → ライセンス で状態を確認し、ライセンス情報を更新 を押してください。対応していない形式のファイルは追加できません(5-2)。
読み取りがエラーになる設定 → API → APIキーをテスト でキーが有効か確認します。インターネット接続、Google AI Studio の利用上限(無料枠の上限など)も確認してください。
「利用上限」「回数が多すぎる」などのエラーGoogle の API の利用上限に達しています。時間をおいて再処理するか、同時処理数 を減らしてください。大量に処理する場合は Google AI Studio で課金を有効にすると上限が大きくなります。
タイムアウトする通信が不安定か、ファイルが大きい可能性があります。時間をおいて右クリック → 再処理 を行ってください。
読み取りの精度が低い明るく鮮明な画像(スキャンなら 300dpi 程度)を使い、請求書全体が写るようにします。影や折り目を避け、傾いている場合はプレビューで回転してから再処理します。AI モデルを gemini-3.8-flash に変えると改善することがあります。請求書項目 の抽出指示を具体的にするのも有効です。
PDF が表示されない・読めないファイルが壊れていないか、パスワードがかかっていないかを確認してください。パスワード付きの PDF は読み取れません。
HEIC のプレビューが表示されないWindows の「HEIF 画像拡張機能」と「HEVC ビデオ拡張機能」を入れてください(5-4)。読み取り自体はできます。
処理が遅い・動作が重い大きな写真を大量に処理すると時間とメモリを使います。少しずつ処理するか、同時処理数 を調整し、ほかのアプリを閉じてください。
スマートフォンからつながらない6. スマートフォンから取り込む の「つながらないとき」をご覧ください。
会計ソフトに取り込めない設定 → 仕訳出力 の会計ソフトと文字コードを確認し、会計ソフト側に同じ名前の勘定科目(未払金・買掛金・普通預金を含む)があるか確認してください。
アプリが異常終了した次の起動時に復元の確認が表示されます。表示されない場合は、保存しておいた処理結果を 処理結果読み込み で開いてください。

解決しない場合は、設定 → ログ で ログを記録する をオンにして同じ操作を行い、ログを添えてお問い合わせください。ログには読み取った請求書の内容が含まれる場合があります。送る前に内容をご確認ください。

18. よくある質問

手書きの請求書も読み取れますか?
読み取れますが、活字に比べて精度が下がる傾向があります。読み取り後に内容をご確認ください。
1 枚の画像に複数の請求書が写っている場合は?
1 つのファイルを 1 枚の請求書として読み取ります。複数の請求書は、1 枚ずつ撮影・スキャンしてください。複数の請求書が入った PDF は、追加時に「ページごとに分割して追加」を選べます(1 ページに 1 枚の場合)。
上下逆さまや横向きの画像は読み取れますか?
多くの場合そのまま読み取れますが、プレビューで正しい向きに回転してから読み取ると確実です。回転した向きで AI に送られます。
勘定科目はどのように決まりますか?
設定の勘定科目の一覧の中から、AI が請求元や件名・品目をもとに選びます。学習した規則がある取引先は、その規則が優先されます(10. 勘定科目の学習)。
インターネットに接続していなくても使えますか?
読み取りには Gemini API を使うため、インターネット接続が必要です。結果の確認・修正・出力、保存台帳の閲覧は接続なしでも行えます。
請求書のデータはどこに保存されますか?
読み取り結果や保存台帳は、お使いの PC(保存台帳は設定した保存フォルダ)に保存されます。当方のサーバーには送信されません。ただし、読み取りのために画像は Google の Gemini API に送信されます(20. データの取り扱い)。
別の PC に移行するには?
新しい PC にアプリを入れ、次の 4 つを移します。① 設定をエクスポート/インポート(API キーは含まれないため、新しい PC で入力し直します)② 勘定科目の学習 のエクスポート/インポート ③ 保存台帳の バックアップを作成 と バックアップから復元 ④ 必要に応じて処理結果の保存ファイル。
Gemini API の費用はどのくらいかかりますか?
Google の料金体系に従い、請求書の大きさや AI モデルによって変わります。無料枠もあります。正確な金額は Google AI Studio の使用状況でご確認ください。
無料試用と有料版で機能の違いはありますか?
ありません。試用期間中もすべての機能をお使いいただけます。

19. ライセンス・料金

  • 料金:年額 3,600 円のサブスクリプションです(Microsoft Store で購入)。初回は 30 日間無料でお試しいただけます。
  • 無料試用を開始すると、Microsoft アカウントに登録された支払方法で、試用期間の終了後に自動更新され、料金が請求されます。
  • 自動更新の停止・解約は、Microsoft アカウントの[サービスとサブスクリプション]ページで行います。解約後の利用期間など詳しい扱いは、Microsoft のサブスクリプションの規定に従います。
  • ライセンスの状態と残り日数は 設定 → ライセンス で確認できます。試用期間の終わりが近づくと、画面上部にお知らせが表示されます。
  • ライセンスが無効になると、請求書の追加と読み取りができなくなります。保存台帳に保存したファイルとデータは、お使いの PC の保存フォルダに残ります。
  • Gemini API の利用料は、本アプリの料金とは別に Google から請求されます。
  • 請求書(購入の証明)は、Microsoft アカウントの[注文履歴]から発行できます。

20. データの取り扱い

  • 読み取りの際、請求書の画像(または PDF)と読み取りの指示文が Google の Gemini API に送信されます。Google でのデータの扱いは、Google の利用規約とプライバシーポリシーに従います。無料枠では、送った内容が Google のサービス改善に使われる場合があります。
  • 読み取り結果、設定、学習した規則、保存台帳は、お使いの PC に保存されます。当方のサーバーには送信しません。
  • API キーは暗号化して PC に保存します。
  • スマートフォンから取り込む場合、通信は同じ Wi-Fi の中だけで行われますが、暗号化されていません(6. スマートフォンから取り込む)。
  • ログは既定では記録しません。記録をオンにした場合、ログに請求書の内容が含まれることがあります。

21. 使用しているライブラリ

本アプリは、次のオープンソースソフトウェアを使用しています。各ソフトウェアの著作権は、それぞれの著作権者に帰属します。

ライブラリライセンス
.NET / ASP.NET Core / Microsoft.Extensions.*MIT
Windows App SDKMIT
Microsoft.Data.SqliteMIT
SQLitePCLRawApache License 2.0
ClosedXMLMIT
DocumentFormat.OpenXml(Open XML SDK)MIT
PDFsharpMIT
PdfiumViewerApache License 2.0
PDFium(PdfiumViewer.Native)BSD 3-Clause / Apache License 2.0
SkiaSharpMIT
Polly(Microsoft.Extensions.Http.Polly)BSD 3-Clause
QRCoderMIT

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